こんにちは、投球法研究室のやぎです
今回は、野球肘で投球禁止の小5の男の子との取り組みを紹介します。
その子の症状や性格(簡単に)
- 野球肘で投球禁止(他の医療機関で診察、3週間の投球禁止を経過した後、投球を徐々に再開するも痛みを再発。→→3カ月の投球禁止・経過によってはオペ・・・となった。)、離断性軟骨炎でした。
- 野球をやめたくはない。
- 球拾いでも走塁練習でも全く嫌がらず努力する選手。
- 練習態度は超マジメ。
いつになれば投球開始を告げてもらえるかわからない暗いトンネルに入った。
右投げ解禁までのあいだには6年生になり、5月の連休には主な大会は進んでいく。
焦らないはずはない。(焦るのは必然だ!)
5年生の冬の段階であそび以上の真剣さで【左投に挑戦してみないか?】といってみた。
【目的】は、右投げ解禁前に神経系に刺激を与えること
- 肘に負担の少ない腕の角度
- ボールを握る手の向き
- カラダに全体のバランス
- リズム感
私も毎日15分程度左投げで練習をしました。
塁間をワンバウンドで投げられればゲームには出られるはずなので(3年生レベル)、
試合に出ることを目指して、
- コツコツ正確に
- 2年生レベルの球速で弱い球でいいから正確に
- 弱く投げることで疲労を最小限に
- 5~10メートルのキャッチボール
3カ月で内野ボール回しに入れるレベルにまで技術アップした。
マウンドからストライクも投げられる進歩をみせた。
わたしは大きな可能性を感じ、美しい左投フォームを身につけるべく付き添った・・・
11歳の少年が手術を受けるリスクも考え、このまま左投で野球をやることもすすめられる実力を身につける器用さはこの年代ならではだろうか?
1990年代に私がまだ高校野球の指導駆け出しのころ、後輩に小学生の時に左投げだったという強肩捕手がいたことを思い出す。
肘の治療を受け復帰した少年は、力強さのある右腕で投げることを選択し、今も野球を続けている。